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2009年7月18日

ベルガマスク組曲のプレリュード

こないだ、活水の前期発表会を見に行きました。

そこで偶然にも、僕がかつて大好きだった、
ドビュッシーのベルガマスク組曲を弾いた子がいて、
本当に久しぶりに聴いて、おーーーって思いましたね。


ベルガマスクというと、月の光が有名ですが、
僕にとってはともかくプレリュード!
プレリュードに尽きる!わけです。


プレリュードとの出会いは強烈なものでした。

音大見習い時代、ピアノのレッスンが毎週あったのですが(副科だからソナチネ程度の)、
たまたまある日、ちょっと早めについて、前の子が弾くのを見る機会があったのです。

そうしたらね、その子が、
僕が勝手に抱いていた、それまでのクラシックのイメージではありえない和音進行の
ともかく何とも言えない、ものすごいコードを奏でておりまして、

おもわず
「せせせせ、先生!そそそそそれはなんという曲なのですかっ!!」
と。


それがベルガマスクのプレリュードだったというわけなのです。

僕は即座に、その子に「譜面をコピーさせてください!」
といいました。

それでもらったけどね、まったく弾けなかった。笑。
あたりまえだ、ドビュッシーなんか弾けるか!

その代わり、カセットを買ってきて聴きました。
当時は寮住まいだったので、それしか聴く装置がなかったんだよね。

それで文字通りテープが擦り切れるほど何十万回も聴いたけどね、
何度聴いても震えが来るんですよね。すごいすごい、と。


こないだ、ベルガマスク弾いた活水の子は、まだ練習中だったらしく、
まるでアナリーゼしてるように、打ち込みのように、まったりと弾いていました。

メリハリや表情のようなモノは確かになかったけど、
その代わり、コード進行がスゴくよく分かるんですね。
ゆっくりなので。


それを聴いて思い出したのは、
僕が一番最初に、僕の前のレッスンの子が弾いてたのを聴いたとき、
その子がプレリュードのレッスンを始めた初日だったってことだった。

初日だから、譜面見ながら、一生懸命さらってたの。

なので、まったりした演奏で、コード進行がよく分かったんだよね。


ああそうか。
だから、こないだの活水でも同じ感覚になったんだな、と。
そう思ったんだよね。

そして、もう一つ重要なことに気付いたのです。
自分じゃ全然気付いてなかったけど、
実は自分は、ものすごく、この曲に影響受けてたんだって事。

だって、転調とか、メロディに対するコード゙の当て方とか
これって僕そのものじゃないかって聴きながら思ったわけ。

もちろん僕はこんな高級じゃないしハイレベルじゃないけど、
でも目指すところはこれなんじゃないかとは思ったね。

そっかー、僕の作風の元がこんなところにあったのか。
ちょっとびっくりだったね。


参考に。


PS
その後、久々に組曲全部通して聴いたけど、
これって、ペットサウンズだよね。

ペットサウンズだ。すごいねー。
その話はまた後日。

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2009年7月 2日

非常識な人のゴネ得

昔、僕らに対して非礼な態度を取った、ある女性アーティストが、
先日、うちのレーベルのアーティストに、○○の投票応援よろしく♪
などとメールを送ってきたらしい。
本文はコピペだが文頭にちゃんと、宛名が書いてあり、
判ってて送ってるはず、ということだった。

その厚顔さはなんなんだ?自分が過去にやったこと忘れてるのか??
と憤慨しながらも、その後二人で話したのは
「この世界はこういう非常識な奴じゃないと生きのこれないのかもしれないね…」
ということだった。

そういえば、昨年もそうだし、ごく最近もあったことだが、
思い当たるフシはいろいろあるね。


でも、その後いろいろ話して、

でも僕らが知ってる「業界」の人はちゃんとまともな人じゃないか、
っていう話になり、それは大御所だからだよね、という流れになり、
ははあ、だから半端なことしかできないのだね、というオチになった。


でも、やはりゴネ得というものは、どの世界でもあって、
特に僕ら音楽家なんか、もめ事やごちゃごちゃしたこと嫌うから、
そうすると、ともかく大声でわめき散らして、
自分の意見を主張しまくる人が、結局勝ってしまう、
というか、そういう人の思い通りに事が進む、
というのは否めない感もあるね。


僕自身、自分が相当性格も口も悪く常識はずれだと思っていたが、
業界的には屁でもないレベルだと最近気付いた。

上には上がいるものである。

そして思ったのは、僕のこの口の悪さは、
そういう輩と戦うための武器として発達したのかもしれないな。と。


思えば、一昨年くらいから、この地でいろいろなことがあり、
それらに対処するためには、自分も狂気でいなければ平静を保てなかったし、
振り返ると、現実でもネットでもひどい言動はたくさんしたはず、
という自覚症状も少なからずある。

ある種の人には「諍いアドレナリン」というものが過剰分泌されてる気がしてる。
途中まで来ると諍いモードが快感になって戻れない感じ、というか。
好戦的な人は概してそんな感じだね。


そうして全て過ぎ去った今思うのは、
まともな人にしかまともな人は集まらないって事だった。

自分も気を付けないと、と思う。

なかなか、有意義な話題だった気がする。


今回の記事を書くにあたり、インスパイアされたブログがある。
リソースの割き方。Scott’s scribble - 雑記。

いい話なので、是非読んでほしいと思う。

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