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2008年1月14日

私は初音ミクじゃないっ!

オレが長いことプロデュースしてる女性のレコーディングが昨日久々にあった。この方の場合ちょっと関係が特殊で、他の子のようになかなかスムーズには事が運ばない。何故なら、この方は自己存在証明のために歌を歌っているからだ。もちろん他の子もそうなのだけど、昨日の方の場合、それがもっと繊細で複雑、というか、自分の中でのイメージと、実際の完成度との違いに「これでいいのだろうか?」とものすごく悩む人なのだった。
そんなわけで彼女とはよく喧嘩になるのだが、昨日はその頂点だったとも言えた。休憩中にたまたま観たビデオで流れた、某アニメ声優さん(SH)の歌がきっかけだった。


「なにこれ?ちょっと声が良いからってなにこれ?」
「修正しまくりで、それでもこうやって売ってるわけだ」
「こんなこと自分がされても意味ない、そんなの私じゃないっ」
「こんなんでいいんだったら、さっさと他の子探してくれば?」
「私は初音ミクじゃないっ!貴方の言いなりのお人形じゃない!」

おー!
彼女の口から「初音ミク」!
否定的意味合いでの「ミク」言及キターーーー!
笑。


この発言は嬉しかった。実はちょっと前までオレらは「初音ミクはおもしろいよね」と言って喜んでいたのだ。しかし実際は、様々な想いや葛藤があったってことだよね。こうして思いを吐き出したあとレコーディングは再開、その日のベストテイクをものにすることが出来た。

以前も書いたが、実はオレも自分のプロデュース作品に、べったり「自分色」を着ける人間である。しかし、自分がそうされることの拒否感もよく知っているので、相手が不快に感じる、というその気持ちや、そうならない寸止め加減もよく知ってるつもりだ。今のオレは、相手に「どうしたいか?」必ず尋ねる。なんでもいい。イメージでも言葉ひとつでもいいから言ってくれ、という。
たとえばそれで相手がひとこと「オレンジ。かな…。」と言ったとしよう。そこからイメージを膨らませて「オレンジ」な曲を創るのだ(オレが作るのは「曲」。サウンドではないことに着目。オレは常に「曲」で完結させることが究極の目標なので)。

この話は語りきれないな。またそのうち続きを書きたい気はする。

関連過去ログ(両極端)。
ヴォーカリストを不在化させる初音ミク
自分の存在の証が欲しいのです。

関連ブクマ。
POP2*0

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「歌メロ」書いたやつが偉い、とか、楽曲を [続きを読む]

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