ちょっと前だが、id:ymScott氏界隈で「萌えってのはつまり性的に欲情しているってことを言い換えてるだけでは?」みたいな話題を読み、なるほどと思っていた。
僕が思うに、「萌え」っていうのはオタクジャンルの人たちに与えられた、初めての「欲情語彙」だったんじゃないかなと思う。
以前ちょっと九州男子の事を書いたけど、古来「男」という動物は、異性を見れば欲情するものなのであって、街角だろうがバイト先だろうが、良いと思ったら「よーネエチャンいいねー」とか言うのが男らしいみたいな風潮が確かにあったよな。
最近ケーブルで昔のドラマたくさん見れるじゃん。「俺たちの旅」の中村雅俊氏とか「探偵物語」みたいなのとか観てると、なんか主人公みんな普通に、街角の女性のオッパイや脚眺めて「イイね~」とか言ってるんだよな。今じゃありえんよな、と思ってちょっとびっくりするよね。中村雅俊氏の視線ってのは普通にエロいんだけど、まぁ個人の好みとは思うけど、彼のキャラのお陰で、それほど不快感も感じないように上手く作られてた気はする。
こういう風に単刀直入に欲情するのって、昔はある一定のキャラ以上の人とかに許された行為だったと思う。それがだんだん普通の人でも、そういうこと冗談で言ってもいいんだ、という風潮になってきて、そんでセンスのない人が大量流入、冗談と思えないような引かれる言い方をしてしまい、結果セクハラみたいになってるんだろうと思う。
「足を見るオジサンはチカン」
この事件なんか、それをもっとも端的に表してるじゃん。
所謂オタク系の人って、そういうことを本来いちばん言ってはいけないジャンルの人たちだった。これは自分もそうだったから判るけど、なんか生理的にキモイんだってうのはよく判る。オレも中学時代とかはよく言われたよ。気持ち悪い、観るな、触るな、とかですよ。「あの子かわいいよね」とか言ったらクラスじゅうドン引きですよ。可愛いと言われたほうはその日から同情の対象ですよ。何にも悪いことしてないのに、ってw
「おーネエチャンいいねー」という言葉を持たず、ヒュ~ヒュ~と口笛も吹けず、ジトーーっと眺めるだけで行動もせず、その不気味さに気持ち悪がられる、という不遇な市民生活を強いられてきたジャンルの人々に、初めて与えられた言葉「萌え」。やっと独自の言葉が生まれたってことか、と。感慨深いわけです。
こうして、キモキャラの人でも、とりあえず「萌え」とか言っておけば、いくらジトっと脚見てようが何してようが、その場は取り繕えるようになる。挙動不審がられることも少なくなる。そんな、新式の処世術みたいなものだろう、と。
こうなると10年後くらいの会社の宴会がたのしみですね。空気読めないおっさんが、若い子相手に「き、きみって萌えだよね、ッヒッヒ」とか言ってセクハラで訴えられてる場面が、ものすごく想像つくんですが、どうでしょうか。
関連
:「足を見るオジサンはチカン」…アイドル「AKB48」大島ブログが大炎上
追記。
発信元のほうで話題が広がっていましたのでリンク。
・・・何でオレが「萌え」について語ってんだ。
- Scott’s scribble - 雑記。
「萌え」って何?という話
- 5100度の炎
確かに元々はこういうことだと思います。フェチと紙一重な感じではありますよね。