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2007年10月31日

ソニータイマーの歴史

今さらですが、偶然見つけたのでメモ代わりに書いておきましょう。あくまで個人的意見です、とお断りしておきます。

J-CASTニュース : ネットで囁かれる 「ソニータイマー」の正体
J-CASTニュース : 「ソニータイマー」という言葉 中鉢社長「認識」の真意

オレらが少年だった70年代から80年代にかけて、ソニータイマーという言葉こそなかったが、ソニー製の機器は概してそういう印象がある、ということは実しやかに言われていた。もちろん「私的」ではありますが、日本を北から南まで渡り歩いたオレの実感では、その「私的」な感覚は全国に散らばっていた気がする、という印象を(個人的にだが)持った。どこへ行っても、電気機器メーカの話になると「確かにそういう印象があるなあ」となり、自称「被害者」と「ソニー信者」との間で口論になったこともあった。もちろんオレらは全員オタクであったので、表面的にそう言うだけに留まらず、その原因はなんだろうか?と探ったりもした。

そうして出した「私的」な結論だが、ソニー製品はスペック、デザイン、アイディアともに、あまりに高すぎる理想のもとで完成しているため、その完成品が、完成品である状態を保持できる期間がどうしても短くなってしまうのでは?ということであった*1

つまり、完成直後、新品の状態ではとてつもなく素晴らしい品物なのだが、その状態を維持することが素人では難しいってことではないか、と。

ここでひとつだけ擁護しておくと、うちのソニー製品は(ひとつ*2を除き)長持ちしている。それは「ソニー製品がそういうものである」ということを理解しているので、他の電気機器よりも大切に扱っているからだ。この「大切に」というのは、乱暴にしない、という意味と、必要以上に酷使しない、ということも含んでいる。

民生機器というと、どんな人が使うか判らないもので、極端に言えば、ぶん投げても水滴がかかっても「ちょっとやそっとじゃ壊れない」くらいがちょうど良いとおもうのだけど、ソニー製品はそこに重きを置いてないのかもしれない。

理想の完成度と、求められる完成度は違う。何でもかんでも音楽に結びつけるようで恐縮だが、素晴らしく完成度の高い楽曲が、売れたり褒められるわけではない。そこはバランスと見極めが必要だってことだろう。

しかし、みんながみんなジャンク製品、ジャンクフード、ジャンク音楽ばかりを産むようになったら、それはクリエイターとしては淋しいと思う。数あるメーカーの中で、たとえタイマー搭載だったとしても、なんだかわからない高尚な理想的製品を産んでしまう、ソニーという企業みたいなものが、ひとつくらいあっても良い気はするのだ。だってウォークマンがなければ、きっとiPodだって無かったはずだし、VTRに於けるBETAや8mmハンディカムだって、技術者的には最高の理想製品だったはずなのだし。

オタクの夢を形にする会社でいいじゃん。そういうことに夢を託すパトロンをソニーは探すべきなんだ。多分秋葉原とかにたくさん居ると思うよ。

*1:つまり構成する全ての要素がギリギリの状態で成り立っている、というか。
*2:Hi8ビデオデッキEV-NS9000。これは構造上の欠陥があるのでは?と思う。それぞれの部分はいいものなのだが、おそらく1個体のなかに、それら全てを押し込んだ時点で干渉が起こるのだろうと想像している。何度オーバーホールしても、本当にタイマー搭載のごとく半年くらいで元に戻る。

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2007年10月30日

パッセンジャー

今月ロバートフリップの特集やってて思ったのだけど、
自分が心底はまったモノって言うのは、原稿とかメモ無しに
いくらでも怒涛のように喋れるんだって知った。

でもビートルズやビーチボーイズの特集で思うように喋れなかったっていうのは
僕の中で一旦全部、それらのデータを追い出したってことですね。
ポルナレフもそうです。

その人たちのことが好きだったとき、
そのときの自分自身があまりにも特徴的時代に身を置いていたため
そこから抜けたあと、一旦全部忘れよう、と思ったわけです。

もちろん音楽そのものは身体からまったく抜けていませんが
細かいデータなんかは、すっかり忘れているんですよ。

なのに、今回ロバートフリップのことはほとんど覚えてたってのは
自分の中で、フリップイズムみたいなものが、未だ活きてるってことだな、と。

これって、自分の曲についても同じなんです。
昔のアルバムのことはすっかり忘れてます。
もちろん聴くと思い出しますが、それは「空気」として思い出すだけです。
リスナーとしての立場とあまり変わらない。

ああ、あんな風に録音したっけなあ、とか
あの頃は寒かったなあ、とか、ごく普通の思い出です。

おもしろいです。

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2007年10月29日

ニコ動は宅録DTMerにとってのストリートか

いやー。面白いってば。ミクオリジナル。
やっぱりな。

オリジナルをやってこそ なんだよ!

自分用メモもかねてリンク。多謝!

182654 - G.A.W.
091721 - G.A.W.
120304 - G.A.W.
(ミクオリジナル曲を聞き続けるG.A.W.氏のエントリ)

これは宅録オタクの逆襲だな。
ストリートミュージシャンじゃなくて。
ニコ動ミュージシャンっていうかDTMerっつか。

コッチにはコッチの世界があるんだぜっていうか。
外になんか出なくてもいいんだぜ!っていう。

駅前とかアーケードにいるインチキゆず小僧どもなんか蹴散らすぜ。

ともかくみんな頑張れ!

最初はどんなに稚拙でもかまわん。

まずはオリジナル創れ。

話はそれからだ。


10月7日追記。

日頃言っていることを端的に言い表してくれた文章に出会う。

結局、マスコミには勝てないんじゃないかな/山本モナの「倫理観 - 琥珀色の戯言

これについてはまた後日書く。

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2007年10月28日

ロバート・フリップ特集4 × からかわ特集

本日のラジオはロバートフリップ特集の4回目。
結局1ヶ月やってしまった。笑。

先週のリーグ・オブ・ジェントルメンの、
ミニマル+人力テクノ+ダンスミュージック的な方法論を、また一歩進め、
気まぐれなニューウェイブ出身のリズム隊を解雇し、
ブラッフォード復帰、トニー・レビン採用、
新生キングクリムゾン復活までの道のりを語ります。

80年代クリムゾンの復活は、それだけ見ると唐突ですが、エクスポージャーからの流れで見ると、非常に判りやすく、必然であったと思います。

スティーヴ・ライヒの提唱したミニマル・オスティナートのズレを、ロックに於ける「リフ」と解釈し、唯一無二のロック音楽を創り上げた新生クリムゾン。
その実践には新ギタリスト、エイドリアン・ブリューのテクニックも見逃せません。

来日ライブで実際に見た、あのフレーズを弾きながら歌う、ブリューの化け物ぶり。ポリリズムが徐々にずれて、また一致する時の快感などについて熱く語ります。

曲はフレーム・バイ・フレーム、ディシプリンです。

そんで。

忘れてはいけない!!

本日の前半は。

なんと私の特集です。

近々リリース予定の新譜の曲を流しながら自分の紹介など。

歌詞と歌を担当したピロリーナさんについて、
先ごろiTunesよりリリースされた女性ボーカルコンピアルバムについて、
など。

ピロリーナさんにはゲストとしてもまた来てもらう予定です。

近々リリース予定の新曲を流しながら自分の紹介、最近の楽曲製作の考えとかポリシーとか、けっこうざっくばらんに語ってると思いますわ。そして最初にかけるのが御馴染み「Ever Green MAN」。

そんで、こないだiTunesよりリリースされた女性ボーカルコンピアルバムについて、その内容とか感想とか、いきさつとか、そういったことを語 りまして、インテリジェンスCM曲「ひろ 3/4 feat.ピロリーナ」をかけます。歌詞と歌を担当したピロリーナさんについてのレコーディング秘話とか。

深夜0:30分より。エフエム長崎でオンエアです。

さっきの日記でCDジャケ画像貼ってて気付いたけど、クリムゾンのディシプリンと、私のBABY BABYのジャケットって、なんか似てたんだな。偶然同じ日に取り上げるって凄いねえ。

ちなみにあのジャケットは、ピロリーナさんの親友、あつこさんによるものでした。サークルだもんな。なんか良いよな。

ということで、コンピアルバムはiTunesで買えるからね。150円。お願いしますm(__)m

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2007年10月23日

iTunesでアルバム・リリース!

Babybabyminijacke

ニュー・リリースのお知らせです。

アルバム「BABY BABY featuring GIRLS!」が
10月4日、iTMSよりリリースされました。

(ご購入は こちら をクリック♪)。

女性ヴォーカルの方とコラボした曲を集めたコンピレーションです。
収録曲は10曲(9トラック)。
偶然ですが、ほぼ製作順に並んでいます。

曲の解説を書いておきます。

*自由になるわ feat. yuuka
ユウカさんのVocalを録ったのは、なんと1993年です!当時は全然別なアレンジのオケに乗っていました。その時は自分の未熟さで完成できず(ユウカさんすいません)、自分の曲「真冬のエスキモー」として転用しました。でもやっぱり、やり残した仕事は悔いがずっと残るのですよ…。
どうしても完成させたかったので、Mac導入を機会にリメイクを決定。ヴォーカルはデジタル 8ch マルチ・レコーダで録ってあったので、デジタルのままMacに移動し、別なアレンジのオケを創り直して乗せました。機材試験の意味もあったので、HDDレコーディングの利点を駆使しまくりました(そういえば初回レコーディングも 8chレコーダと音源の試験かねてた気がする…)。僕も少しハモってましたが邪魔なので、ほとんど消した。アコギとグロッケンは友人W氏のロジックで重ねた。つまり、このアコギは打ち込みです。

長崎でFMの番組制作担当になった際、これのインストをテーマ曲にしました。ユウカさんのリードヴォーカルを抜いて、そのかわりピロリーナさんのスキャットを入れました。反応が良くて嬉しかったです。


*holiday feat. takumi(作詞も)
*ふたり feat. takumi(作詞も)
たくみちゃんです。これこそ女心!みたいな乙女な歌詞を付けてくれて、ほんとに素敵になりました。特に「ふたり」のほうは切々と訴える感じがキュンと来ます。ぜひ聴いてください。


*等身大メモリーズ feat. リンリンコリンズ
難しい曲ですが、独特のウィスパーヴォイスで世界観を創っていただきました。レコーディングで初めて聴いた時、凄く新鮮でした。同じ曲がこんな風に印象が変わるのだ、と。
僕のオリジナルとはメロディを1箇所変えてあります。サビに行く直前のドミナント部分、つながりやすいように2音だけ変更したのです。良くなったと思いますよ。(リンリン"SOPHIE"さん


*ドライブ feat. naho onda
タレントの恩田菜穂さんです。これも僕のオリジナルとは全然印象違います。女の人が歌うとこうなるのねえ、と…。菜穂さんは裏声の取り方が綺麗で、自分とどこか似ている部分がありました。
コーラスアレンジはビーチボーイズ風で。ギターソロは僕が弾いてます。2テイク弾いて良い方を使えばいいと思ったんだけど、2個とも使っちゃえってことになって2つのソロが同時に鳴ってます。


*くじら日和 feat. Pirolina (作詞 Pirorina)
ピロリーナさんが店長をされている鯨肉のネットショップ「くじら日和」のコピー文を、そのまま曲にしたものです。CMジングルみたいで良いです。


*BABY BABY feat. Pirolina (作詞 piro / kara)
アイドル用の仮歌として録り始めたんですけど、せっかくならこのままリリースしちゃおう、ってんで公開になりました。これの歌はものすっごく難しいです。ジェットコースターメロディです。アイドルにこういう超絶技巧な曲を歌わせる、っていうのはよくあるんですけど、これは本当に大変だったと思う。最後までちゃんと歌ってくれたピロリーナさんには、心からお礼を言いたいです。


*ひろ 3/4 feat. Pirolina (作詞 Pirolina)
派遣会社インテリジェンスのCMタイアップとなった曲です。TVで流れています(東北地区)。これはピロリーナさんとの初コラボ曲です。なので感慨もひとしおですね。創り始めた当時は、まだ僕は東京に居たので、長崎在住のピロリーナさんとのやり取りはメールや電話でした。歌詞と歌のイメージを伝えてもらって曲を付け、それを電話口で弾き語りしてOKもらったり、というように作業を進めました。アーティストの全ての萌芽は処女作にある、と言いますが、これもまさにそうだと思います。ピロリーナさんの歌詞と歌がなければ、こうなっていないのです。素晴らしいです。(シングルカットもあり)


*春のコート feat. SWAN
長崎と繋がりが出来て、他の方にも曲を書くことになりました。実はこの曲は歌う候補が3名居たんです。結果的にSWANさんになりましたが、ほかのバージョンもやってみたいですね。
SWANさんの歌い方は「遅れるほどではない絶妙なタメ」というものがあって、「え?テンポ変わったっけ?」と思ったほど、デモと表情が変わりました。癒しのシンガーと言われる理由が判ります。僕は、崩して歌うフェイク唱法が嫌いなのですが、こういうのなら逆にオススメしたいくらいです。
これの歌詞は「好きな人、というのは自分の心の傷でもあるんだ」という観点で書いた。好きな人と出会う、ということは自分の心の傷にまたひとつ気付く、ってことでもある、と。


*Flyaway with ピロリーナ
この期に及んで、僕の歌など要らないですか?でも、自分の歌がないってちょっと淋しかったので(笑)。これの解説はここに詳しく書いてますので、お時間ある方はぜひどうぞ。


以上です。


なお、現在のところiTunesオンリーの発売となっております。


そういったことも含めて、ぜひぜひみなさん、
どうかどうか買って聴いてみてください!

バラで買えますからね!150円!
ストリートミュージシャンじゃないですけど、カンパのつもりで!笑

ぜひともポチっとクリックでお願いします m(__)m


ご購入は こちら をクリック♪

(試聴できます!→BABY BABY sampler♪

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2007年10月22日

長崎さかな祭り 2007

今年も恒例、さかな祭りに行ってきました(去年はこちら)。
Sakanaposuter

Sakanakanban
今年はスカッと晴れました。

Kujziraniku1

Hinokanban
さっそく鯨肉の日野商店さんブースへ。


Zounihikikae
くじら雑煮引換券ゲット。
これは会場本部受付でもらえます。


Zounikanban

Zounigyouretsu
みんな並んでいます。


Zouni
お雑煮。美味しいです!


Zounimori
もっとおかわりしたいくらい。


Buppan
直売コーナーも盛況でした。

日野商店さんはネットで通信販売をしています。
クリック → 「くじら日和」

実は、僕とコラボしているピロリーナさんは、
この くじら日和 の店長さんなのです。
初コラボ作品「ひろ 3/4」はインテリジェンスCMタイアップとなり、
現在TVでオンエアされています(東北地区)。

「ひろ 3/4」は、10月4日 iTMS よりシングルとしてリリースされました!
iTunes や iPod お持ちの方は是非聴いてみて下さい!
購入&試聴はこちら。→ クリック♪


Shijou
さて、建物の方にも行って観ましょう。


Shijou2
大盛況ですね。いろいろ買いたいものがありました。


Kirimi
鮭(?)を切り身にしてる実演コーナー。
というか、お店の人がたまたま切っていただけです。


Ebi
えびです。


Icebooth
海産物だけでなく、お祭りなので普通の出店がたくさんあります。
お好みやヤキトリ、綿菓子とか。
魚のつかみ取りとかもありました。


Ganpekiumi
港の岸壁です。
休日はなんだか独特の雰囲気ありますね。


また来年も是非行きたいと思いますよ。

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2007年10月17日

次は準備されている。必要なのはエールだ。

目一杯仕事をやっていると、世間のことはどうでもよくなってくるんだよな。以前に比べて、時事ネタを取り上げることがめっきり少ないのもそれが理由だ。

何らかの現象が表に出る場合、いきなり露になることは少なく、その準備段階として潜伏期間みたいなものがあると思う。視聴者を含む受け取り側は、最終的にメディアで披露される姿で知るしかないから、突然物事が起こったかのように感じるが、実際はその準備は2年くらい前から行なわれていることも多い。
今のこのひどい状態も、来年までは続かないだろうな、と、まったく個人的感触だけど、思っている。世代交代は驚くほど早く、くだらない人脈も淘汰され、あっという間に入れ替わる。今業界を仕切ってる世代がどれほどひどいか、感覚で判る自分としては、あいつ等消えればあとは持ち直すさ、と楽観視してる。
「ミクTBS事件」も「おにいちゃんは悪くない」ももちろんウォッチングしてるし言いたいことはあるんだけど、「まいっか」的に半分スルーなのは、経験上、既に次が準備されているであろうことを想像できるからである。

そこで、ひとつだけ言っておきたいことがあるのだ。

今の人脈が淘汰され、その後に来る時代の為に次の出番を待っている世代がいる。彼らの今の状況は厳しいだろう。本業だけでは食えずバイトしてる奴も居るだろうし、針のむしろだったり、煮え湯飲まされてたり、親から突き上げられたり、今が一番苦しく厳しいときであると想像する。

だから、ネットその他で、現状を変えて欲しいこと、メディアのひどすぎる実態、不当な環境とか、どんどん声を上げて欲しいわけだ。

例えば、こういうパブコメにしてもだ。

「ダウンロード違法化」「iPod課金」──録音録画補償金問題、意見募集始まる - ITmedia News

結果的に無力っぽくなったとしても、その声だけはきっと次の世代*2に届く。「もうオレやめて田舎に帰ろうかな」と思う気持ちをストップさせることが出来る。勘違いでも「やっぱり俺が時代を変えないと」と彼らに思わせることが出来る。

ネット住人は敵にすると怖いが味方にすると頼りない、と揶揄されることもあるが、確かに、味方にはならないがw、1ミリくらいの心強さはある。

ともかく言いまくること。

これが次世代予備軍たちにとっての最大のエールだと思う。

 
*2:たとえば津田大介氏のような方々に

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2007年10月16日

ヴォーカリストを不在化させる初音ミク

「歌メロ」書いたやつが偉い、とか、楽曲を特定するのはメロディだ、とか最近しつこく書いていた。これには実は理由がある。
コラボでヴォーカリストと組んだ場合、その出来上がった作品はたいがい「ヴォーカリストの作品」とされてしまう。それがどうにも納得いかないってことなんだな。つまり半分愚痴なんである。だって、メロディ書いてアレンジしてトラック創って、すべての入れ物を準備したのはこっちなわけだ。しかし、美味しいところは歌ったやつが持っていく。だからオレは歌手が嫌いだ。

有名なスタンダード曲で「明日に架ける橋」というのがある。オリジナルは「サイモン&ガーファンクル」というデュオというかユニットというか、その二人の大ヒット曲。実はこのデュオのうち、ガーファンクルのほうは歌うだけで、ほとんど曲を書いていない。ヒット曲の多いグループだが、全てが相方のポール・サイモン作による物である。それでは、サイモンのほうは歌が歌えなかったのか、というとそうではない。普通に上手いアーティストである。ただ、相方のガーファンクルの声は、とっても美声だったのだ。

「明日に架ける橋」もそれまでの曲に倣い、サイモンが曲の全般を書き、ガーファンクルに歌わせた。この曲はバラードだったのでほとんどハモる部分がなく、ほぼガーファンクルの独唱になった。この曲は大ヒットしアメリカポップス史を代表するような名曲となり、歌うたび大喝采を浴びた。

しかし大喝采を浴びたのは、いつも、歌ったガーファンクルだった、というわけ。サイモンは横でそれを見るたび、内心悔しさでいっぱいになったと言う、などと音楽書の類には実しやかに書かれているけども、まぁあながちデタラメでもないと思う。

彼らは程なく解散する。ガーファンクルが俳優など個人行動を頻繁にするようになり、サイモンが頭に来た、という説がある。そこには何がしかの驕りみたいな気持ちもあったかもしれないが。

ということで、そんな悔しい思いを経験し、金輪際、人のためになんかしてやるもんか、とかいう方や、手柄は全部自分のものにしたい、みたいなクリエーターにとって、歌までコントロールできる「初音ミク」みたいな存在は素晴らしいと思う。ガーファンクルの声で出来たヴォーカロイドがあったとして、サイモンが自作「明日に架ける橋」を完璧に歌わせたら、名声はサイモン一人のものになったであろう。

歌というのは、結局ほとんどの場合歌手のものだ。作家としては、別にそれでも構わないと思うのだけど、歌った歌手のほうに、楽曲を提供してくれた作家に対する、感謝とまではいかないまでも、なにかリスペクトのような気持ちか配慮が少しでもあれば、トラブルになりにくいのは確かだ。「おふくろさん」の話題も、今や懐かしいけども、どっちが上とか偉いではないんだな。お互いが認め合うって事が大事なんだろう。どの仕事でもそうだが。

オレもコラボはいくつかやった(幸いオレも歌えるので相手が居なくてもそれほど困らないのだが)あまり良い気持ちでできなかった作品は、いまでも気持ちよく聴けない。別にこいつに歌わせんでも、初音ミクでもあればな。と思ったね。

ポールサイモンは、デュオ解散後リリースしたソロアルバムで、本人の予想に反して、成功を収めた。その後も全米1位のアルバムが数枚続いたし、そのうちの1枚は70年代を代表する名盤とされている。もちろん作品だけでなく、彼自身の歌声が認められた結果である。彼のガーファンクルに対する羨望や熱い葛藤は払拭されただろうかね?


関連
私は初音ミクじゃないっ!

「名誉ある」孤立

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2007年10月11日

MIDIは消えて良かったと思ってる。

かつてネットではMIDI音楽というのがあった。実はオレもすっかり忘れていて、昨今のニコニコ系権利問題の流れで思い出したのだ。権利団体の規制で、あっという間に(ほんとにあっという間だった)消えた。

MIDI音楽というものがオレは大嫌いだった。個人的意見だと断っておくけども、叩かれるの承知で書くけども、あれは本当にひどい。恐らく耳コピ*1なんだろうけど、コードもめちゃくちゃでメロも適当、改変当たり前。オリジナル作家が聴いたら泣くよ?あれ。私の曲はこんなじゃないっ!!とね。

クリエイター側にとっては、お金の問題というより、勝手に変えられることへの激しい拒否反応というのも、一般の人の想像以上のものがあると思う*2

オレらはオタクだ。ウルトラセブンのことを以前書いたが、要するに細かいんだよ。

サザエさんだってネズミだってロボットネコだって、凄く考えられてデザインが出来てるはずだ。キミの書いたその画は、耳の位置は違う!目の間隔が違う!って思うだろうし、ちょっと神経質すぎねえ?と外野が言ったところで*3、物を創る人間は元来神経質なものなのだ。
もちろんクリエイター本人の気質で、気にしないという人もあるだろう。それはそれで一向に構わない。しかし、それを嫌がる人の存在を無視は出来ない。

数あるMIDI音楽の中には優れたものもある。しかし、当時、一般のサイトから流れて来たあれらの音楽は、耳を覆うばかりのものも多かった。厳密に言えば「間違っているもの」ばかりだった。使用料払えってことではない。完成度のひどさ(というか完成してないが)に苦言を呈している。初めてその曲を聴いた人に「つまらない曲だな」と誤解を与えてしまったら妨害にもなるし。

ほんとに個人的にだけど、あれは規制されて本当に嬉しかった。感謝したよw

そういう意味では、オリジナルの音を切り刻んで作ることが主流になった今の状況は、オレにとっては、もう全然許せる範囲内である。元の音の配列とメロはそのまま(途中で切られてたとしても)生きてるからだ。というか、そもそも変えられないのだからね。

それもあって、今の状況は、個人的には結構静観していられる。

*1:もしくは、下手すりゃ記憶コピーw うろ覚えで打ち込んでるってやつ。楽譜購入して打ち込めば少なくとも音楽的には正しいものに近づくが、普通そこまでしないしね。
*2:いまひとつ実感が沸かない、という人は、あの中国の遊園地を思い浮かべるといい。あのキャラたちのデフォルメ具合がそのまま音楽に当てはまってると思えばいい。
*3:さすがに、子どもには言わないよ。ただし、それを見過ごしてる保護者や大人には遠慮なく言う。さりげなく正しいものに誘導するのがお前らの勤めである、と。

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2007年10月 9日

iTunesでアルバム・リリース!

詳細告知、遅くなりました。

10月4日、アルバム「BABY BABY featuring GIRLS!」がリリースされました。

女性ヴォーカルの方とコラボした曲を集めたコンピレーションです。
収録曲は10曲。
偶然ですが、ほぼ製作順に並んでいます。

曲の解説を書きますね。

*自由になるわ feat. yuuka
ユウカさんのVocalを録ったのは、なんと1993年です!当時は全然別なアレンジのオケに乗っていました。その時は自分の未熟さで完成できず(ユウカさんすいません)、自分の曲「真冬のエスキモー」として転用しました。でもやっぱり、やり残した仕事は悔いがずっと残るのですよ…。
どうしても完成させたかったので、Mac導入を機会にリメイクを決定。ヴォーカルはデジタル 8ch マルチ・レコーダで録ってあったので、デジタルのままMacに移動し、別なアレンジのオケを創り直して乗せました。機材試験の意味もあったので、HDDレコーディングの利点を駆使しまくりました(そういえば初回レコーディングも 8chレコーダと音源の試験かねてた気がする…)。僕も少しハモってましたが邪魔なので、ほとんど消した。アコギとグロッケンは友人W氏のロジックで重ねた。つまり、このアコギは打ち込みです。

長崎でFMの番組制作担当になった際、これのインストをテーマ曲にしました。ユウカさんのリードヴォーカルを抜いて、そのかわりピロリーナさんのスキャットを入れました。反応が良くて嬉しかったです。


*holiday feat. takumi(作詞も)
*ふたり feat. takumi(作詞も)
たくみちゃんです。女性です。これこそ女心!みたいな乙女な歌詞を付けてくれて、ほんとに素敵になりました。切々と訴える感じがグッと来ます。ぜひ聴いてください。


*等身大メモリーズ feat. リンリンコリンズ
難しい曲ですが、独特のウィスパーヴォイスで世界観を創っていただきました。レコーディングで初めて聴いた時、凄く新鮮でした。同じ曲がこんな風に印象が変わるのだ、と。
僕のオリジナルとはメロディを1箇所変えてあります。サビに行く直前のドミナント部分、つながりやすいように2音だけ変更したのです。良くなったと思いますよ。(リンリン"SOPHIE"さん)


*ドライブ feat. naho onda
タレントの恩田菜穂さんです。これも僕のオリジナルとは全然印象違います。女の人が歌うとこうなるのねえ、と…。
コーラスアレンジはビーチボーイズ風で。ギターソロは僕が弾いてます。2テイク弾いて良い方を使えばいいと思ったんだけど、2個とも使っちゃえってことになって2つのソロが同時に鳴ってます。


*くじら日和 feat. Pirolina (作詞 Pirorina)
ピロリーナさんが店長をされている鯨肉のネットショップ「くじら日和」のコピー文を、そのまま曲にしたものです。CMジングルみたいで良いです。


*BABY BABY feat. Pirolina (作詞 piro / kara)
アイドル用の仮歌として録り始めたんですけど、せっかくならこのままリリースしちゃおう、ってんで公開になりました。これの歌はものすっごく難しいです。ジェットコースターメロディです。アイドルにこういう超絶技巧な曲を歌わせる、っていうのはよくあるんですけど、これは本当に大変だったと思う。最後までちゃんと歌ってくれたピロリーナさんには、心からお礼を言いたいです。


*ひろ 3/4 feat. Pirolina (作詞 Pirolina)
派遣会社インテリジェンスのCMタイアップとなった曲です。TVで流れています(東北地区)。これはピロリーナさんとの初コラボ曲です。なので感慨もひとしおですね。創り始めた当時は、まだ僕は東京に居たので、長崎在住のピロリーナさんとのやり取りはメールや電話でした。歌詞と歌のイメージを伝えてもらって曲を付け、それを電話口で弾き語りしてOKもらったり、というように作業を進めました。アーティストの全ての萌芽は処女作にある、と言いますが、これもまさにそうだと思います。ピロリーナさんの歌詞と歌がなければ、こうなっていないのです。素晴らしいです。(シングルカットもあり)


*春のコート feat. SWAN
長崎と繋がりが出来て、他の方にも曲を書くことになりました。実はこの曲は歌う候補が3名居たんです。結果的にSWANさんになりましたが、ほかのバージョンもやってみたいですね。
SWANさんの歌い方は「遅れるほどではない絶妙なタメ」というものがあって、「え?テンポ変わったっけ?」と思ったほど、デモと表情が変わりました。癒しのシンガーと言われる理由が判ります。僕は、崩して歌うフェイク唱法が嫌いなのですが、こういうのなら逆にオススメしたいくらいです。
これの歌詞は「好きな人、というのは自分の心の傷でもあるんだ」という観点で書いた。好きな人と出会う、ということは自分の心の傷にまたひとつ気付く、ってことでもある、と。


*Flyaway with ピロリーナ
この期に及んで、僕の歌など要らないですか?でも、自分の歌がないってちょっと淋しかったので。(笑)
これの解説はここに詳しく書いてますので、お時間ある方はぜひどうぞ。


以上です。

リリースに当たっては紆余曲折あったのですが、結局iTMSでリリース、という理想的形に収まったので嬉しく思います。これに当たっては、かわさき音楽コンテストでご縁が出来た「堀川ひとみ」さんに、大変お世話になりました。ありがとうございました。

そういったことも含めて、
ぜひぜひみなさん、
どうかどうか買って聴いてみてください!

バラで買えますからね!
150円!
ストリートミュージシャンじゃないですけど、カンパのつもりで!笑

ぜひともポチっとクリックでお願いします m(__)m


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2007年10月 8日

ドクヌキ 2007

http://www.nextmusic.net/index.php?command=profmusic&profid=20071008201015
今日ミックスした。

底意地の悪いユーミンさんが林檎パロディを書いたらどうなるか、
というコンセプトで創った曲。 本当は女性ヴォーカル向きです。

感動巨編(Tune Of Us)のあとがこれかよっ!
オレらしいでしょ?笑。

最近ロバートフリップよく聴いてたので、
オルガンがバリー・アンドリューズみたいになった。

ニューアルバムの解説は、あした


ピロリーナさん、トリハチさんと競演した感動巨編はこちらですYO
http://www.nextmusic.net/index.php?command=profmusic&profid=20071004230806

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2007年10月 6日

改良、と言って良くなってたことがない件。

7年位前からネットやってるじゃん。オレ。そうすっと、だいたい途中で、どっかのポータルとか管理画面とかレンタルcgiとか、今回のmixiもそうだけど。たいがい改良とかする時期に出くわすんだよ。そんで結果的に、お~よくなったなー、ってことがほとんどないんだよな。いや別にオレ懐古趣味じゃないけど。なんでわざわざ複雑化することに命賭けるのかわからん。もちろんよくなってるところもあるんだけどね。

こういう分野って今まであんまり接したことなくてさ。だって、たいがい物って使いやすく改良されないか?使いづらくなってどうするって話じゃん。

だから結局ITっていうの?こういう世界って、ごくほんの一部しかスーパーハッカーっていうかさ、プロって結局いないんじゃねえかって思うの。そうだよ。今でもオレなんか所詮ネット産業じゃん、ってバカにしてるよ。だって素人さんの配布してるツールみたいなやつのほうが出来いいじゃん。給料貰ってて、日曜プログラマ以下かよ?ってことでさ。だから、名誉回復のためには、さっさと淘汰されてくれって話だよ。

みんなIT革命だとかロングテーーールとか言ってもさ、結局底辺は使えないもんばかり溢れててさ、それでも本人は寝ずに残業手当も貰わずがんばってるんでしょ?オレが例えばmixiの担当技術者だったら、こんなに叩かれて1週間泣き明かすな。でも回避できなかったんだよね?

どうしたらこれって報われるのかね…?

今回のmixiのリニューアルについて - 専門家に聞く [All About プロファイル]

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2007年10月 4日

報われる

まぁな。
たまにはこういう日でもないとさ。

まず今日ミックスしたばかりの新曲。
http://www.nextmusic.net/index.php?command=profmusic&profid=20071004230806
解説はリンク先に書いてあるとおり。
ちなみにギターはトリハチさんですが、なんと10年ぶりの共演ですYO!

そんで本日遂に。
iTunes music store でリリース!
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?id=265381931&s=143462
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?id=265379901&s=143462
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewArtist?id=263632161

みなさん、どんどんご遠慮なさらずにポチッと買ってくださいね。
解説はまた後日致しますね。

それから夜はシェボンゾにて、初のコラボライブ。
バスの時間になってしまったので2曲演奏して帰宅。

いやーしかし、もう一人メンバーが居るというのは凄いことです。
安心して歌いきったです。
まっきぃさんマジありがとう。また頑張りましょう。

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2007年10月 3日

小六病

最近、チャンヤマさんのセレクトするソフトロックシリーズを良く聴く。

僕の人生のピークは小学6年の時だと思うが、これらの音楽を聴くと、その頃をいつも思い出す。

小学校って同じ学校に6年間通うんだよ。
6年目にはもう人生の黄昏って感じしないか?

6年生の終盤、特にこの季節の頃は、
「ああオレ達は終わってゆくんだな」とすっごく感じて過ごしていた。

僕が創作の精神状態に入るときは、感覚はその小六なんだと思う。
思い返してみても、いつもそう。

曲がどんどん生まれて充実してる時は
いつも感覚は小六なんだよね。

ライブとか営業の時は、一時的に大人になっているだけでね。
創作の時の感覚は、普段とはまったく違う。

だからレコーディングとライブは両立できないのだ。
小六ではライブできないからね。

ライブとか、普段話すときの僕を想像されてると、
レコーディングモードの時の私は、
実に横柄で殿様モードな小学6年生だと思うよ。

注意すべしw

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2007年10月 2日

HTMLソースやCSSソースに著作権は発生するか?

MIXIのデザイン改悪が話題になっていますが、さっそく有志の方が、強制改良スタイルシートを公開していました。

リニューアル後のmixiを2カラム/750px幅化するユーザースタイルシートを書いてみた : akiyan.com

いやもうほんとに、こういう素早さって感心するんだけど*1、これを今話題の音楽や映像創作物の無断使用に準えるとどういうことになるのかな、と思って権利関係ちょっと調べてみたんだ。

まんまそういうページがあったので紹介します。
HTMLソースやCSSソースに著作権は発生するか?

多分これも決定ではなくて、今後流動的に変わるのだろうし、恐らく小倉さんとか絡んで諸説乱れることになりそうなものなんですが、今のところ、こういうことらしいですね。

もとの情報のほうに権利はあって、見せ方聞かせ方のほうには、権利があまり発生しない、ってのは「歌メロ書いた作曲家」と「編曲家」との関係に似ていて、非常に興味深く思った。

これ例えば、音楽や映像で言えば、ブラウザ上でのイコライジングソフトを配布、みたいなことになるのかな。

例えば、初音ミク音声使用楽曲を、もっと萌えにするイコライジングとか画面加工ソフトとか、そんな感じなんだろうか。

でもプログラミングっておもしろいよね。7年前初めてHTMLソース書いたとき、「リンクって別窓開きか同窓開きかっていうの、こっちで決めるんだなあ(target brankのこと)」って感動したの思い出す。

追記。
諸説あるからこれも貼っとくね。

CSS 著作権 - Google 検索

*1:特にこのセリフが素晴らしい。「幅が広がったためになんとなく置かれたんじゃないか」系のリンクから非表示にしました。←完全に見透かされてるw

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2007年10月 1日

人は音楽にストーリーを求めるのか

昨日、あるライブバーのオーナーさんと音楽について語った。

普通の人が音楽を聴く場合、やはりきっかけとして、楽曲やアーティスト本人のバックボーンとか、生まれた背景とか、時代のこととか、そういう付加情報がなければ、なかなか受け入れられにくいよね、という話になった。音楽を音楽として独立したものとして受け入れるのは、普通の人にとっては敷居が高いらしい。

オレ自身の考えは、ここで言い続けているとおり、

メディアは限りなく透明なのが良いし、ヴォーカリストやプレイヤーも、作曲家にとっての「メディア」である、と考えるのなら、その勝手な解釈による改悪は言語道断だし*1、音楽が純粋に音楽のみで評価されるのが、究極の理想形なんじゃないか、


ということなわけですが、

そうは言ってもですね、この2~3回のエントリで語ったとおり、言葉やアレンジ音色、なんてものでは語られることが多くても、肝心の楽曲を特定する要素の歌メロ(と和声進行)について語られることはないわけで、いや、全然専門的でなくても良くて、「なんかこのメロディ綺麗ね」でもいいわけですが、それすらなくて、今の時代、歌メロなんかさして重要ではない音楽も多いので、しょうがないのはしょうがないのですが、その実、チャートの上位はほとんど歌メロものじゃないすか、みたいなことも思う。

そこいらへんの矛盾というか、普段はメロに無関心を装っても、あんた口ずさんでるのは、他ならぬ「歌メロ」じゃないすか?と。
なんだか、ゴチャゴチャしてきましたが、楽曲においてすべての装飾を取っ払った状態、っていうのが、「歌詞、コード、歌メロ」の3要素になってしまうわけですよ。

そんで思ったのは、オレ個人の考え方である「楽曲にとってはアーティストもプレイヤーもメディア」っていう部分と、現実としての管理状況をあわせると、おそらく「歌詞、コード、歌メロ」以外のすべて、いや、ひょっとすると歌詞も要らないか。つまり、それ以外のすべてが、そのオーナーさん言うところの「ストーリー」なんじゃないか?って思ったわけです。

そうすると納得がいく。人が歌メロ以外の部分を語りやすいのは、それらがストーリーだからなんだな。たぶん。

作曲やってる人なら分かると思うけど、和声進行と旋律書いた時点で、作曲家としての「ストーリー」は、ほぼ完成している。つまり、メロ対コード、というその時間軸の流れを完成させることこそが、作曲家にとってのストーリー構築に当たるからだ。その次に歌詞が加わり、ヴォーカリスト、プレイヤー*3はただのストーリーテラーである。アレンジは舞台設定かな。だから作家としては、それらのストーリーテラーに忠実な再現を求めたくなるのも当然の欲求である、とも言えるのですよね。

こっから下は余談になるけど。

打ち込み音楽の発展*4によって、そのストーリーテラーも、作者本人のコントロールが効くポジションになった。人力最後の砦であるヴォーカルもミク(もしくはその発展型)の登場で変わって行く *5かもしれんわけだし。そうするとですね。自分の作品世界ってものが、ますますパーソナルになってゆく。個室化ですよ。

今ここでは作家にとってのメリットについて語ってるように見えるけど、実は実演者にとってもすごく良いことだったんだよね。つまり「機械*6」が代用できるようなレベルの半端なやつは要らん、ってことになったじゃん。ってことは、個性とか唯一無二な存在にならなきゃ生身の人間使う意味なくなるんだから。単にテクニックとして優れているだけなら「機械」にだってやってもらえるんだからね。

まぁそういうことで、ゴチャゴチャ話しましたが、読んでるほうは、まったくチンプンカンプンでしょうが、オレとしては実に脳内がスッキリしたのでした。

これ良い話なので、何ヶ月かかってもいいから、しっかり読解してください。



*1:上手すぎるヴォーカリストは時に邪魔である。
*3:作曲家とこれらが同一であった場合も、人格としては分離が望ましい。つまり逆に言うと、著作物を汚す権利は、著作者本人にすらない、ってこと。たとえ作者本人でも、一度世に放たれた作品を無闇にいじくるのは同義的に許されないと思う。
*4:初期は「打ち込み」というジャンルだったので現状とは別物と考え、今通常に行なわれている打ち込みDTMといったことを指す
*5:プレゼン用の仮歌なんかがそうなったら怖いね…。ならないと思うけどねw
*6:なんかいい響きだなあ。機械。

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