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2007年8月19日

辛い時は去って

オノヨーコとレノンが組むようになり、彼ら二人による様々な提案が作品発表と共に行なわれるようになった。
そんななかでオレが、これは良い、と感じ実践しようと心がけているもの、それが「どうせ何か言うならいいことを言おう」路線である。

いちばん有名なのは、いまやクリスマス曲の定番となった「Happy Xmas」の副題「戦争は終わった。もしあなたが望むなら」である。

当時、レコードリリースと前後し、世界中の街でこのコピーを掲げたポスターが貼られたということだ。

このコピーはいささか親切に出来ていて「もしあなたが望むなら」と付け加えられているが、確かにこれが無ければなんだか判らないかもしれない。

この曲発表当時、世界中で戦争や紛争が行なわれていて、「戦争は終わった」などという状態では決して無かった*1

「終わってねえよ、何言ってるんだよ、毎日人が死んでんだよ、この平和ボケ野郎!」と突っ込まれること必至のコピーであろう。

しかし、「終わった」ということによって。しかも超有名人である自分達が言うことによって、「終わった」という気分に人々をさせること。それを狙ったのだ。これは想像ではなく、本人達が至る所で述べていることなので、ほぼこの見解であってるはず(違ってたら誰か突っ込んで)。

その路線は、レノンの遺作「ダブルファンタジー」収録の「辛い時は去って」にも継承されている。この曲の作者オノ氏は「実際は、辛い時は去っていない。しかし、去った、とあえて言うことで、前向きに方向を変えたい」というようなことをインタビューで述べてたと思う。

その辺を追求してゆくと「イマジン」ってことになるわけで、単なる平和ボケソングではないというのを判ってもらえたら嬉しいわけだが。

さて。
最近いろんな人たちの日記ブログエントリを読む。様々なブクマコメントも見る。

未来は悲観的な状況か、その原因の一端をオレらの世代も担っているのか、お前は恵まれてるじゃないか、パリスヒルトンほどでないにしても。何が美しい国だアホ、東大出のお前をぶん殴ってやる、と。
まぁ気持ちは痛いほど判るどころか自分だって、いつ明日にでも路頭に迷うか判らん定収入などない身であるが、それでも、「よくなる」と思いたいわけだ。

これは「きっと上手くゆく」とか「大丈夫さ」とかいうのとは違う。そんな3流の「元気出せよ」ソングみたいなことではない。

もっと現実的に「よくなる」という確信なのだ。

一応言っておくがオレは宗教などまったくやっていないよ。人のことなど知るか。前にも書いたが、怠け者のオマエなんかに何かを譲ってやるような、寛大な心の持ち主ではない。

しかし、それでも、そんな怠け者のオレやオマエでも、「よくなる」のだよ。根拠なんかない。ただ「よくなる」だけ。

そう思うだけで随分毎日も違うんだよな。


*1:特に当時泥沼状態だったベトナム戦争を強く意識していると思われる。

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