櫻の園
中盤終わりのほうで
中島ひろ子さんとつみきみほさんが
語り合うシーンがあるのですが、そこで
「私はいじめっ子にされたことを絶対忘れない」
みたいなことを中島さんが言うんですね。
つみきみほは、それに応えて
「忘れる必要なんてないんですよ」と言います。
その後も少しこの話が続きます。
これ、結構ドキッとする話で、
なぜなら私も根に持つタイプなんですよね。
どんなことも、些細な言葉も忘れてないです。
でも逆に、私のしたことも
相手が根に持っていたりするんだろな、とも思います。
でも、つみきみほの台詞じゃないけど
それでいいんだと私は思う。
なんでも通り過ぎられる人って羨ましいと思う。
出来ればそうなりたい。でもなれません。
私の音楽とかも、そういうのの集積なんでしょうね。
一生こうやって生きていくんでしょうね。自分。
この映画は前半はかったるいんですが
中盤以降つみきみほと中島さんが絡むようになってきてから
すごいおもしろくなるんですよね。
二人の交わす会話ややり取りの描写とか秀逸だと思います。
私は80年代初頭くらいから、これからの日本の世の中は、
当時(80年代初頭)女の人の考えているようなことが
デフォルトになっていくんじゃないかなーと思ってました。
うまく説明できないけど、フェミニンというんでもないけど
男系社会みたいのは崩れてくるはずと思ってたんですね。
櫻の園を見たとき、その後半の
つみきみほと中島さんのやり取りを見て
ああこれがデフォルトだ、と感じました。
これが普通なんだ、と。変じゃない、と。
だからなんか嬉しかったですね。
その感じが、私の中では
アントニオーニの映画に繋がってきます。
なんだか訳の分からない散文みたいになってしまった。
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