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2004年8月 5日

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続き。

東京に来てから、本当にやりたいことを始めたので
大阪時代のアングラな心意気は一旦眠らせた。
というか、誰に話しても理解されなかったので
話題にすることをやめてしまったのです。
その頃からだね。
暗いとかお宅とかそういう排除のされ方が
一般的になったのって。

松田聖子な80年代前半が終わり、
1985年からロックビデオ屋でバイトを始めました。
そこでさまざまなお客さんと会い、
時代が動いていることを知った。
ニューウェイブ→第二次ブリティッシュ・インベイジョンの
流れは、結構影響を及ぼしてたんだね。
LIVEAIDの影響でクラッシックロックの復権もあって
西新宿シーンはその頃凄く面白かった。

そんなある日、ビデオ屋が入っていたビルの2階の
新聞雑誌集積所に別マと別フレが置いてあるのを発見した。
2階の会計事務所のおねえさんが
毎月毎月、買っているらしかったのです。
それを見て僕は高校時代の血が騒ぎ
とっさに2冊とも店に持ってきてしまった。

最近はどうよ、みたいな感じで
ぱらぱらとページをめくってみると
なつかしの「くらもちふさこ」の文字。
それが「KISS+πr2」の連載第一回
(というか「たいへんおまたせしました」)だったのです。
はじめは、ただ懐かしいだけかと思ったんだけどね。
すっかりはまってしまい、毎月集積所から持ってきて
読むようになってしまった。

連続ドラマも嫌いだけど連載も嫌いなんだよ。
一ヶ月も待てないからさ。でもこれは面白かったなー。
毎月楽しみだったもん。
良く考えるとこれも再放送と一緒か。
まさに、ひろいもんだもんね。

音楽をこういう風に日常に取り入れて描けるのか、
と、素直に感動した。
音楽そのものを題材にしてるんじゃなく
さりげなく取り入れてる。
僕はドラマでも映画でも漫画でも
音楽を題材にしたものは見ない主義なんだけど
これは、そういうのとは違った。
ふさこさんて元来ロックファンだったはず。
でも一生懸命当時旬なアーティストも取り入れてましたね。
ミーハーチックなだけかもしれないけど。

ひのえうま世代が高校卒業して一気に時代が変わった頃。
これで、それを肌で感じたんだね。
ストーリーもぐいぐい来るっていうか、
大阪で感じたあの空気をもっと判りやすく
かつ、深くしたような世界観が、素直に入り込めたし。
そこで感じたメジャー感ていうのは、一種
「大瀧詠一」大先生にも通じる方法論だったというか。
ここで考え方が変わったんだよね。

さて、S社と違ってK社には馴染みの作家さんが居なかったから
別フレのほうは、最初暇つぶしに流し読みしてたんだけど
だんだん一人の作家さんを楽しみに待つようになった。
それが小沢真理さんだったわけ。
作風も絵柄も、特に新しいものは無いと思うけど
なんか惹かれたんだね。たぶん話の内容だと思う。
いろいろとっ散らかることもあるんだけど
その奥になんか一本流れてる筋みたいのが見えるんだ。
それで僕は彼女の全作品(当時)の単行本を揃えたんだ。
で、それが今も続いてるわけ。

くらもちさんの作品はこれ以降読まなかった。
他の作品にはあんまり感じなかったし、
「KISS+」が良かったので、もうそれで十分だったな。

店に居た3年間は音楽的な刺激だけでなくて
それ以外のたくさんの出会いがあったわけ。
これがあるのとないのでは、今の僕は
多分まったく違ってるのであって
そういう意味では、感謝しても良いよな。
ひでえ店だったけど。
いや、ひでえ店だったからこそ
逆に僕が最大限利用してしまったんだな。
ちゃんとした店だったら
こんなことできてないはずだもんな(笑

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